【英会話】fluke(まぐれあたり、たまたま、偶然)
とある日の実験にて
先日、研究室で実験している時のことです。
私が別の人から引き継いで担当している実験があるのですが、前担当者がやっていたときにうまくいかないというデータが出ていました。
原因がはっきりとしていなかったため、私もその前任者に倣った方法で実験を追試したのですが、やはり同じようにうまくいきません。。
このことをラボのメンバーに相談している時に、使っていたのが今回紹介する単語”fluke”です。
私が前任者と同じ実験をして、同じように結果が良くなかったことを伝えると、それを聞いてくれたネイティブのラボメイトが
”Then, his result was not fluke.”
と言いました。
(flukeという単語を知らなかったのですが、短い単語なので聞き取れました。)
その時は特に意味を訊き返すこともなく会話を終えたのですが、後から調べてみて彼の言ったことの意味が分かりました。
ラボメイトは「彼(=前任者)の実験がうまくいかなかったのはたまたまではなかったってことなんだね。」と言っていたのです。
化学実験は再現性が取れることが重要なのですが、時に色々な要素が絡んで(例えば実験作業のちょっとした違い、装置の不具合、その日の湿度の違い、etc..)再現が取れないこともあります。
原因が分からずまたやり直すとあっさりとうまくいく、なんてこともよくあります。
今回のケースにおいては、前任者の実験がうまくいかなかったのはその時に何かしらの原因があって偶然うまくいかなかったのかも、という希望的な見かたをしていたのに私がやっても同じようにうまくいかなかったので、ラボメイトは落胆してそう言ったのです。
また、今回私が実験をした時には前任者の失敗を踏まえてより精密にデータを取りながら進めたことでどこに原因があるのかが分かったため、実験の結果を偶然で片付けずに済みました。(うまくいかなかったことは残念ではありましたが、、)
flukeの意味
Weblio英和辞書によると、flukeには以下のような意味があるとのことです。
・いかりづめ、いかりかぎ、(やり・やす・矢・釣り針などの)先端のかかり
・まぐれ当たり、僥倖(ぎようこう)
・ヒラメ、カレイ、吸虫、肝蛭(かんてつ)
思った以上に色々な意味が出てきて少し困惑しました。笑
全ての意味をただ暗記するのは大変なので、私の想像をふんだんに盛り込みつつ、この単語の意味・語源を想像してみます。
このflukeという単語、昔は三つ目の意味、つまりヒラメなどの魚を指す言葉として使われていたようです。*1
そこから、「いかりづめ、いかりかぎ」という意味に派生したようです。
なんとなくこの二つは形状が似ているためにこういう派生をしたのかな、と想像します。
こうやって並べると、似てる…??
ややこじつけ感がありますがそこはご愛嬌ということで。笑
ではこれらを意味する単語がどのようにして「まぐれあたり、偶然」という意味になるのでしょうか?
これも完全に私の想像でしかないのですが、こんな風に考えてみました。
錨(いかり)というのは船を停める時に船体から海底に放り投げるもので、錨の爪部分が海底にささることで機能します。
しかし船の上からは海底が見えないので、ある意味あてずっぽうに放り投げないといけません。下ろした錨が海底にうまく引っかかるかどうかは運任せで、何度かやり直すことでようやくうまくいくこともあります。(多分)
海底に錨を放り投げて船を固定するという行為に運の要素が絡んでくることから、錨を意味するflukeが「まぐれあたり」という意味に派生したのではないでしょうか。
この仮説をラボメイトに話したところ、「それは面白いね!考えたこともなかったよ!」と感心してくれました。
実際に当たっているのかどうかはわかりませんが、単語の意味を覚える上で何かを連想したり自分なりのストーリーを作ってみるのは効果的だと思います。
今回の話が皆さんのお役に立てたなら何よりです。
ちなみに、現在ではflukeはこの「まぐれあたり、偶然」という意味で使われることが多いように思います。
ヒラメ→flatfish
錨→anchor
など、これらの意味では別の単語を用いられることが多いからです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
(参考ページ)