銀行口座開設とクレジットカード作成
今日はアメリカでの銀行口座開設とクレジットカード作成についてお話しします。
私自身がBank of America(以下BOA)で経験した手続き内容に基づいた話になっています。
手続き内容についてのみ知りたい方は "はじめに" の部分は飛ばしてもらって大丈夫です。
目次です。
- はじめに
- 日本から銀行口座開設 (Union Bank)
- 銀行口座開設に必要なもの(以下は渡航後現地での口座開設の話)
- 銀行口座開設の手続き
- Secured Credit Cardとは?
- 口座の管理はアプリ、ネットが基本
- 短期留学の方へのオススメのクレジットカード
- まとめ
はじめに
日本ではまだクレジットカードを持つこと自体に不安を感じる人や、必要性を感じない人等が比較的多くいると思います。(私のことです。笑)
私自身も日本ではクレジットカードを持ってはいたものの、ごくたまに使う程度で基本的には現金主義でした。
しかしアメリカではスーパーでの1000円以下の買い物でもカード払いするほど日常的にクレジットカードが使われています。それ位どこででもクレジットカードを使うことが出来るのです。
今では私もすっかりクレジットカード愛用者になっています。
ネットでの買い物でも当然クレジットカード情報が必要となります。少し困ったのが、航空券の手配でした。JALでカリフォルニアから日本へ帰国するチケットを予約しようとすると、クレジットカードがアメリカのものしか利用できなかったのです。まだセキュアクレジットカードしか持っておらず利用上限額が低かったためそれを上げてもらうための手続きからする羽目になりました。(セキュアクレジットカードについては後述します。)
ご参考までに、 JALは海外発の便を予約する際、その各地区のサイトに移行して手続きをするため、アメリカ発ならアメリカのサイトで予約という形になるようです。そのため、日本のクレジットカード情報を入力しても認識されなかったみたいです。
ということでアメリカ生活にとって必要不可欠な銀行口座とクレジットカードについて以下に記載していきます。
日本から銀行口座開設 (Union Bank)
渡航してからの手続きは慣れないシステムを理解した上で、しかもそれを英語で進めていく必要があるため手間が掛かります。渡航前に時間が十分にある場合は日本からの口座開設をオススメします。また、渡航前に現地の口座があれば日本の口座からそこへの送金も事前に済ませた上で出発できるので大量の現金を持っていく必要もなくなります。
日本から開設できるアメリカの銀行口座は三菱UFJ銀行が提携しているユニオンバンク(Union Bank)のものがあります。
申込みページはこちら↓↓
【注意点】
・このサービスの利用には三菱UFJ銀行の口座が必要です。
・米国のユニオンバンクとの書類のやり取りに時間が掛かるため、渡航の2~3ヶ月前くらいから準備を始める必要があります。(少し余裕を見た期間設定ですが、渡航前は色々と準備が立て込むと思うのでこの設定にしています。)
・ユニオンバンクはカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州をメインに展開している銀行なので、それ以外の州へ行く方は渡航先でATMがあるか事前に確認してください。(ユニオンバンクのカード自体は使用可能ですが他社のATMで利用すると手数料が取られます。)
・開設手続き自体は三菱UFJ銀行を通して日本語で出来ますが、あくまでユニオンバンクの口座なので開設後にやり取りが必要な場合はユニオンバンクと直接行う必要があります。
私自身は渡航直前になってこのことを知ったので手続きの時間が足りず断念しました。。
銀行口座開設に必要なもの(以下は渡航後現地での口座開設の話)
これ以降は渡航後にBank of America(通称BOA, BofA, バンカメとも言われます)にて実際に口座開設手続きを行なった経験を基に話をしていきます。他の銀行と異なる部分もあるかもしれませんが大まかには同じと思いますので参考にしてください。
まずは口座開設にあたり必要だったものを以下に列挙しておきます。
【必需品】
・パスポート及びビザ
・DS2019 (渡航目的と勤め先の証明)
・現金$100以上 (口座開設時に入れておく必要があります。金額は最低額以上であればいくらでも良いですが念のため数百ドルくらい持っておけば確実です。”セキュアクレジットカード”のところで後述しますが、クレジットの上限を高めに設定したいのであればその分の現金を持って行きましょう。)
・住所 (渡航先での滞在場所、クレジットカードの送付先にもなります。)
・電話番号
・メールアドレス (電話番号とどちらか一方でも大丈夫かもしれません。)
【あると好ましいもの】
・SSN (Social Security Number; 持っていない場合は取得後に報告すればOK、またJ2ビザなどでそもそもSNSを取れない人は無くてOK)
・財政証明書 (収入源があることを示す書類、身元がはっきりしていることを示せます)
・I-94 (渡航履歴)
あると好ましいものは、基本的に自分の身元証明が出来るものです。身元がちゃんとしていれば銀行のスタッフも安心してきちんと対応してくれるだろう、という程度ですので特に英語に不安がある人は持っておくと良いでしょう。
銀行口座開設の手続き
次に実際に銀行で行う手続きについてです。こちらの銀行は(少なくともBOAでは)窓口と、スタッフ応対場所が別に設けられています。窓口は主に小切手(casher's check)の発行や口座の残高証明書(statement)の発行などの事務手続きを行なってくれます。
実際に銀行に行ってやること
新規口座を開設する場合は窓口ではなく個別にスタッフ応対してもらう必要があります。来客対応のスタッフが店内にいるので新しい口座(account)を作りに来たという旨を伝えましょう。順番が来たら呼ばれます。この辺は意外にも(?)アナログ対応です。
銀行スタッフは基本的にとても丁寧なので安心感があります。信頼を高めるために敢えてアナログ対応をしているのかもしれませんね。
順番が来ると個別ブースに案内されるのでそこでスタッフに再度要件を伝えましょう。新規口座開設にあたり必要となる最小限の用語を以下にまとめておきます。
saving account: 日本でいう定期預金口座。無くても問題ないですが、セキュリティーの観点からchecking accountと併せて開設することを私の時は勧められました。
deposit: ”預金する”という意味で使われます。また、セキュアクレジットカードへのdepositという意味で使う場合は通常の預金とは少しニュアンスが異なります。(後述)
debit card: キャッシュカードとクレジットカードの両方の機能を持つようなカード。日本でも浸透しつつありますが、クレジットのような後払いではなく口座残高を上限として使用できるカードです。日常の買い物はこれでも十分です。(クレジットのようなキャッシュバックはありませんが。)
secured credit card: クレジットスコアが十分に高くない又はそもそもスコアが無い人が持つクレジットカードです。渡航後すぐの人は通常のクレジットカードを持てないのでこのセキュアクレジットカードを作ることになります。通常のクレジットカードと比べて機能が制限されます。(後述)
最低限必要な単語が分かれば要件は伝えられると思うので、後はスタッフの言う通りに書類を記入すれば口座開設を進めてくれます。
手続きが完了したら、
- Routing Number
- Swift Code (又はABA number)
の二つについてスタッフに確認しましょう。
この二つのコードは海外送金に必要な情報です。日本からアメリカの口座に送金してもらう時に、送金元の人が口座番号だけでなくこれらのコードを入力する必要があるのです。
(手続き後にもらう書類にこれらの記載があると思いますが、私の時はスタッフがSwift Codeを手書きでその書類に書いてくれていました。もしかしたらスタッフによってはこちらに伝え忘れることがあるかもしれないので念のため確認することをオススメしておきます。)
口座が出来たらその場でデビットカードが渡されます。こちらは期限が1ヶ月程度の仮カードで、後日正式なカードが郵送されます。もし仮カードの期限が切れても郵送されてこない場合は銀行に行けばまた新たに仮カードを発行してもらえます。(DMVの仮運転免許みたいですね。)
私の場合、仮カードを渡してもらった後に店のATMで実際に使い方を教えてもらいました。また、口座の管理はアプリで出来るのでダウンロードしましょう。Google Playの国設定が日本のままだとダウンロード出来ないのでご注意ください。その場合はウェブからアクセスすれば問題ないのでアプリが必須という訳ではありません。
ともあれ、これでめでたく口座開設完了です!
銀行口座開設の費用
口座開設自体は無料でできます。(最初に$100以上を預金する必要があるためそのお金を持っていく必要はあります。)
但し、日本と違いアメリカの銀行口座は(条件を満たさない場合に)維持費が手数料として毎月差し引かれていきます。しかもその額が$12と手数料としてはかなり高い額になっています。他の銀行でも多少の差はあれど似たような額がかかります。
その費用を免除してもらう条件はBOAの場合、checking accountで$1500以上、saving accountで$500以上を常に入れておくことが求められます。(一瞬でもその額を下回るとその月は手数料が取られます。。)
なので、口座開設後はなるべく早いうちにまとまった額のお金を移しておきましょう。
また、24歳未満の学生については手数料が免除されるプランもあるようなのでスタッフにしっかりと確認しましょう。
Secured Credit Cardとは?
上で少し触れましたが口座開設時にクレジットカードも作りたいとスタッフに伝えるとセキュアクレジットカード(secured credit card)を作ってくれます。通常のクレジットカードとの違いについて書いていきます。
クレジットスコアとは
セキュアクレジットカードについて説明するにはまずクレジットスコアの知識が必要になります。
アメリカはクレジット社会としてよく知られていますが、各個人が持つクレジットカードには使用履歴(=クレジットヒストリー)に応じて成績のようなものがついています。それがクレジットスコアです。沢山クレジットカードを使って滞りなく支払いしていればスコアが上がっていき優秀な(?)利用者としてクレジットカード会社から認知され、逆に支払いが遅れたりするとスコアが下がるという仕組みです。スコアが低いと経済的に信用のない人物とみなされることになります。
(単に沢山使えばいいというわけでもないようですがクレジットスコアの効率的な上げ方についてはここでは割愛します。)
スコアは300~850点で分類され、700点以上あれば一般には良いスコアと言えます。
アメリカならではの合理的な仕組みですね。
ちなみにこのクレジットスコアの制度はアメリカ以外に、カナダやイギリスでも導入されているようです。
クレジットスコアの用途
さて、このスコアですが色々な所で活用されます。特に大きな買い物をする時にはこのスコアで判断されることが多いような印象があります。
例えば、部屋の契約。
場所によっては”クレジットスコアが〇〇点以上であること”という条件が明記されている所もあります。スコアがなくても借りることが出来るケースも多いですが、その場合は大抵deposit額(ここでのdepositは日本でいう敷金みたいなもの。)が上乗せされます。信用が低いから部屋に入る時に担保となるお金が余分に必要になる、ということですね。
クレジットカードを作成する時にもこのスコアが指標になります。”クレジットカードを作るのにクレジットカードのスコアが必要”というのは何とも矛盾したような感じに聞こえますよね。
そこで登場するのがセキュアクレジットカードです。スコアを持たない人でも作れるカードで、アメリカの若い人や海外から渡航してきた人がまずこれを作りスコアをコツコツ貯めてから通常のクレジットカードに移行する、というのが一般的です。
セキュアクレジットカードと通常のクレジットカードの違い
セキュアクレジットカードの意味から分かる通り、簡単に誰でも作れる代わりに通常のクレジットカードと比べて性能が低いです。
主には以下に挙げる二つの違いがあります。
①還元率の違い
アメリカのクレジットカードは日本のようなポイント制ではなく、現金還元がメインです。この還元率は通常のクレジットカードだと高いもので5%にまでなることがあるそうです。
一方セキュアクレジットカードの場合だと1%です。
購入品目によって少し高くなったりもしますが基本的には低いです。
②利用上限の違い
通常のクレジットカードではある程度大きな額が利用上限として設定されます。日本なら社会人で安定した収入がある人は上限100万円程度のクレジットカードは容易に作れると思います。学生でも数十万円くらいのものなら作れますよね。
しかしセキュアクレジットカードではそうはいきません。
セキュアクレジットカードの場合、作成時に自分で任意の額のdepositを銀行に預けます。その額がカードの利用上限額となるのです。
例えばdeposit額を$100としてしまった場合、簡単に言うと利用上限が$100という子どものおもちゃみたいなカードになるわけです。
もちろんdeposit額を増やせばそれに応じた上限額になるわけですが、これには注意が必要です。
ここでのdepositはもちろん預け金を意味するのですが、銀行口座に預けたお金のようにいつでも取り出せるものではありません。預けたお金はcollateral(担保)としてgeneral ledger account(総勘定元帳)にて管理されるそうです。
ではいつ手元に戻ってくるかと言うと、セキュアクレジットカードが通常のクレジットカードにランクアップした時です。
クレジットスコアが全くない状態から通常のクレジットカードにランクアップするまでには、個人差はありますが1年程度かかります。そのため、上限を上げたいがために大金をdepositとして預けてしまうと、1年近くdeposit分のお金なしで生活する必要があります。
手元に使えるお金を残すためにdepositはよく考えて決めましょう。
私自身、まだセキュアのものを使っていてdepositが返ってきていない状態です。上限を$2,000くらい上げましたが、その分のお金が人質のように感じています。笑
BOAからのクレジットカードへの昇格の通達が無事届くことを願います。
クレジットカードに関する問い合わせ先(Bank of America)
”はじめに”の部分で触れたように、このdeposit額は後から銀行に電話して引き上げることも出来ます。
その際のBOAの問い合わせ先はこちら↓↓
866-266-0212 (Credit card billing inquiries)
BOAのサイトの問い合わせページ:https://www.bankofamerica.com/customer-service/contact-us/credit-card/
クレジットカードに関する問い合わせはBOAの店頭では受け付けていないらしく、電話での問い合わせが必要になるので、何か問題があれば上記サイトから必要な問い合わせ先を探してください。
口座の管理はアプリ、ネットが基本
最近は日本でもアプリでの管理が進んでいるようですが、こちらの銀行は軒並みその銀行のアプリがあります。日本のような紙媒体の通帳はありません。(少なくとも私はもらいませんでした。)
口座間のお金の移動やクレジットカードの決済、クレジットスコアの確認等々、日常的な管理はアプリで完結します。
アメリカのクレジットカードはリボ払いが基本なので使用して数日したらアプリで使った分のお金をchecking account等の口座からクレジットカードの口座に移すことで支払いを完了します。
この操作を怠ると支払い遅延とみなされクレジットスコアが下がる原因になるので気をつけましょう。日本の月末一括払いに慣れているとうっかり忘れそうで怖いですね。
しかし、都度支払いが出来ることで上限額が低くても月々の使用上限がそこに縛られるわけではないので便利です。決済してしまえばまた使用額がリセットされるので、日常の買い物程度にしか使わない場合は数百ドルくらいが上限でも困りません。
上記でも述べましたがアプリがダウンロードできない場合はネットで銀行のホームページからログインできるので問題ありません。
短期留学の方へのオススメのクレジットカード
ここまでで現地でのクレジットカードについて話してきましたが、セキュアクレジットカードの項で述べた事情から、留学期間が一年未満の人はセキュアクレジットカードのdepositを取り戻すことが出来ない可能性があるので現地でクレジットカードを作らない方が賢明かもしれません。
JALのクレジットカードならクレジットスコア無しで作れるらしいので短期の方はそちらを検討するのも良いかもしれません。↓↓
私はこちらのカードを持っておらずあまり詳しくないので簡単な紹介に留めておきます。
まとめ
話が長くなってしまったので銀行口座開設の大まかな流れを以下にまとめておきます。
・渡航前でまだ十分に時間(2~3ヶ月)がある場合は三菱UFJ銀行経由でUnion Bankの口座を作るのがオススメ
・現地での口座開設に必要なものは身分証と現金($100以上)と住所・連絡先
・口座は最低でもchecking accountを作りましょう。(saving accountが不要ならスタッフに言いましょう。)
・クレジットカードが必要な場合はまずセキュアクレジットカードを作ることになります。カード上限がdeposit額で決まるので必要な現金を追加で持っていきましょう。
お金に関することなので緊張するかもしれませんが留学する人にとってその国の銀行口座開設は生活に必須なので早いうちに済ませておきましょう。
何か少しでも参考になる情報があれば幸いです。