Rock Paper Scissors ...and more?(じゃんけん)
じゃんけんといえば誰もがやったことのある遊びですが、日本だけでなく英語圏でも”Rock Scissors Paper”という名前で知られています。(三つの言葉の並び方はいくつかパターンがあるみたいです。)
グー→石(Rock)
チョキ→はさみ(Scissors)
パー→紙(Paper)
をそれぞれ表しているのは日本と同じです。
じゃんけんの英語名はそれらを繋げただけという何のひねりもないものなんですね。笑
遊ぶ時の掛け声も日本だと”じゃんけんぽん”と言ったりしますが、英語圏では名前の通り”Rock Paper Scissors”と言うそうです。
以前隣の席のアメリカ人とたまたまじゃんけんの話になった時に、そもそも海外でもじゃんけんが普及しているということにも驚いたのですが、それ以上に面白いことを教えてもらいました。
彼曰く、”5つの手でやるじゃんけんがあるんだよ”とのこと。
彼が見せてくれたのがこちらの図↓↓
(参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Rock%E2%80%93paper%E2%80%93scissors)
URLにもある通り、英語版Wikipediaより引用しました。
通常のRock, Paper, Scissorsの3つに、Spock, Lizardなるものが加わっています。
それぞれの手が他4つの手のうち、2つに対して勝ち、他の2つに対して負けるという形なのですが、それを図にするとすごく複雑に絡まりあった関係を成しているのが分かります。。
これだと勝負をした時にどっちが勝ったか判断するのに時間が掛かりそうですね。
しかも他の手に対してSpockだけやたらと出しづらい形をしていてPaperと区別できなさそうです。。
ここでのPaperは通常のパーと異なり指が閉じています。Spockと区別するためなのかもしれませんがそれならいっそPaperを通常の形のまま、Spockを指の閉じたPaperの形にしてあげれば良かったのでは…
さて、じゃんけんの手の優劣はそれぞれの手の相性により説明されます。
通常のじゃんけんであれば、以下のようになります。
・紙(パー)は石(グー)を包み込んでしまう。
・石(グー)ははさみ(チョキ)では切れない。
・はさみ(チョキ)は紙(パー)を切ってしまう。
では上記の5つの場合どうなるのでしょうか。
そもそもSpock、Lizardとは何者なのでしょうか?
Lizardはそのままの意味でトカゲを指します。
Spockは調べてみると映画 ”スタートレック” の登場人物とのことです。残念ながら観たことがないので知らなかったのですが有名な登場人物なんでしょうか?
彼の敬礼時のポーズが中指と薬指の間を広げるあの形なんですね。わざわざ出しにくい形になっている理由が分かりました。
役者が揃った所でそれぞれの優劣について見てみましょう。(以下英語版Wikipediaより)
Spock smashes scissors and vaporizes rock; he is poisoned by lizard and disproven by paper. Lizard poisons Spock and eats paper; it is crushed by rock and decapitated by scissors.
・Spockははさみを砕き、石を蒸発させる。(SpockはScissorsとRockに勝つ)
一方でLizardには毒でやられ、紙には反証される。(SpockはLizardとPaperに負ける)
・LizardはSpockを毒でおかし、紙を食べる。(LizardはSpockとPaperに勝つ)
一方で石に砕かれ、はさみに首を切られる。(LizardはRockとScissorsに負ける)
…なぜかLizardだけむごいやられ方をしているように見えるのは気のせいでしょうか?
負けるにしてももう少し加減してあげてほしいですね。
このように5種類の手で行うじゃんけんはWikipediaに載るくらいには有名なものとして海外では知られているとのことです。
実際にどれくらい普及しているのかは定かではありませんが。。
今回この5手でのじゃんけんで話を終わりかと思っていたのですが、英語版Wikipediaを見ているとこのような記述がありました。
”じゃんけんは手の種類が奇数で、各々がちょうど半分の手に負け、もう半分の手に勝つように設定すればゲームとしては成立する。例えば、5, 7, 9, 11, 15, 25, 101の手で行うものが存在している。”
もはやじゃんけんとは呼べない代物ですよね。笑
ただ、これを読んで一体どんなものなのか気になったので調べてみました。
すると製作者のものと思われるページが出てきました。↓↓
せっかくなので順番に見てみたいと思います。
(じゃんけんのことをRPSと呼んで、そのあとに数字を付け足すことで何手のじゃんけんかを表しています。)
まずはRPS-7
通常の手に加えて、Fire、Water、Air、Spongeが加えられています。
登場人物(?)がモノのみで構成されていて勝ち負けの残酷さが無くなりました。
いくつか”?”と思う組み合わせもありますが良く考えたなぁと感心します。
続いて、RPS-9
新たにHumanとGunが出てきました。やはり非生物だけで構成するのは難しかったのでしょうか。
やはりHumanの負け方は想像すると恐ろしいです。地味にRockに負ける姿が一番残酷かもしれません。。
一方でGunはもっと色んなものに勝てそうですけどね。そうするとじゃんけんとして成立しないから仕方がないのですが。
次はRPS-11です。
更にWolf、Devilが出てきます。
とうとう架空の生物が出てきました。あ、Spockもある意味架空の生物でしたね。笑
相性図が美しい幾何模様になってきています。
あとWolfが難しすぎて手がつりそうになります。
そしてRPS-15。
Snake、Lightning、Tree、Dragonが登場します。
ここまでくると相性よりも図の模様にしか目がいかないですね。
しかし、製作者のページでは丁寧に手同士の相性を理由付きで説明してくれています。
更にRPS-25。
幾何学模様のレベルが一気に上がりました!笑
ここまで来ると手の種類を考えるよりもこの図を作る方が時間が掛かるんじゃないかと思うレベルです。
そして最後にRPS-101
…すごい。
よくこれだけの登場人物とその相関を考えたものだと、制作工程を想像して感動しました。
RPS-101のページの所で、製作者自身が”これを使って実際に遊んでみたいと思う人がいるとは思えない”と言っています。
そりゃそうですよね。笑
”どんな手があるか、そしてどの手がどの手に勝つかということを覚えるだけでなく、それら全ての組み合わせ5050通りを把握して勝敗を判断する必要がある”とのことで、恐らく製作者すらこれを使って遊ぶことは出来ないんじゃないでしょうか。
ただ、日本から広がった遊びをここまで真剣に(?)考えてアレンジしてくれた人がいるということは日本人としては素直に嬉しいですね。
今回はちょっと風変わりな海外でのじゃんけんの紹介でした。
皆さんはどこまで覚えられましたか?