Toy Story4 -トイストーリー4を観てきました③(完結編) -感想と考察- ※ネタバレあり
前回に引き続きトイストーリー4の内容を語っていきます。今回でようやくストーリーが完結を迎えます。
前回までの内容はこちらからお読みください↓↓
映画のストーリー(前回からの続き)
アンティークショップにて、フォーキー救出を試みたウッディたち。残念ながら失敗に終わり、多くのメンバーが負傷してしまいました。
それでも諦めようとしないウッディと、彼の元を去っていく仲間たち。
ウッディは一人フォーキーの元へと向かいます。
店の倉庫らしき所から店内へと戻ろうと仕切りを開けるとそこにはギャビーとベンソンたちが。
驚き、後ずさるウッディ。
足元にあったペンを武器に、にじり寄ってくるギャビーたちを威嚇します。
ギャビーは、自分が声を取り戻したい理由を語り、ウッディのスピーカーを渡してほしいと懇願します。
長い間、ロストトイとして子どもに遊んでもらえないギャビー。
今アンティークショップに通っている店主の孫(ハーモニー)が最後の希望であること。
連れて帰ってもらうために、自分の欠陥であるボイス機能をどうしても直したいこと。
映画冒頭でも描かれていたように、ウッディ自身、ボニーに数回遊んでもらえないだけで寂しい思いをしています。子どもに遊んでもらうことがおもちゃにとっての幸せと考えているウッディは、ギャビーの切実なお願いを聞き入れることにします。
その代わりフォーキーは返してほしいと言い、ギャビーはこれを受け入れます。
大人しくベンソンに捕まるウッディ。
ボニー(フォーキーの持ち主)たちは、お父さんが修理し終えたキャンピングカーに戻っています。いよいよロードトリップを再開しようと車が出発する直前、バズが戻ってきます。
バズは、ボニーがリュックサックをアンティークショップに置き忘れているのを思い出させることで、キャンピングカーを再度足止めします。
ウッディの元を離れたボーたちは遊園地に戻り話しています。
ウッディを置いてきてしまったものの、自分が家で子どもと遊んでいた頃を思い出し、フォーキーを取り戻そうとするウッディに再度協力しようと決意します。
再びアンティークショップに向かいます。
場面は、音声装置の取り出し手術から目を覚ましたウッディへ。
綺麗に縫合された背中。(ベンソンが手術してあげた様子。)
隣には声を取り戻したギャビーが。
自分の声を確認し、これでハーモニー(アンティークショップ店主の孫)に拾ってもらえると大喜びしています。
そこへ、リュックサックを取りに来たボニーがやってきます。
ウッディはフォーキーを連れ慌ててリュックサックに戻ろうとします。
リュックサックへと走る途中フォーキーは、店に来ていたハーモニーがギャビーを手に取る様子を見つけます。
ギャビーがかけた最後のチャンスを、ウッディも立ち止まりかたずを飲んで見守ります。
ハーモニーがギャビーを抱き上げます。
後ろの紐を引きギャビーの声を聞きます。綺麗な声が再生されます。
しかし、ハーモニーは気に入らなかったようで、ギャビーをその場に置いて立ち去ってしまいます。
ウッディたちはボニーのリュックサックに入り、リュックサックを見つけたボニーは車へと戻っていきます。
しかし、ギャビーを気に掛けたウッディはフォーキーに伝言を頼みリュックサックを出てギャビーの元へ。
ギャビーは悲しみに暮れ、これで終わりだと嘆きますが、ウッディはボニー(フォーキーを作った女の子)の所へ一緒に行こうと提案します。
そこにボーが登場。
ウッディと共にギャビーをボニーの元へ連れていくことに。
フォーキーに伝えておいた集合場所である遊園地へと向かいます。
ボニーはキャンピングカーに戻りいよいよ車は出発してしまいます。
フォーキーはウッディからの伝言をバズたちに伝え、車をウッディが指定した遊園地内の場所へと誘導します。
ウッディたちは遊園地に到着し、目的の場所へと向かう途中、迷子になり物陰で泣いている幼い女の子を見つけます。誰にも声を掛けることができず不安そうに怯えています。
それを見たギャビーは、彼女を楽しませ励ましてあげたいと考え、その子の元へ行くことを決意します。
つい先ほどハーモニーに要らないと置いていかれてしまったこともあり、迷子の子どもが自分を拾ってくれるか、ギャビー自身も不安と緊張を隠せません。
ウッディとボーに励まされ、子どもの後ろに回ります。
ギャビーを見つけた女の子はギャビーを拾い上げて声を聞くと、少し安心したような表情でギャビーを抱きしめます。
そして、ギャビーに勇気をもらった女の子は近くの警備員に声を掛け、助けを求めることができました。
そして無事両親との再会を果たします。
お母さんに向かって ”この子はギャビーって言うんだよ” と嬉しそうに紹介して持って帰るのでした。
女の子に抱かれて幸せそうな表情のギャビー。
ウッディたちはギャビーを見届けた後、キャンピングカーへと向かいます。
キャンピングカーはおもちゃたちにより制御不能となり遊園地内に乗り込みます。その後ろには警察が。
”止まりなさい” と警察に告げられるも、車を止めることが出来ず困惑するボニーのお父さん。
目的の場所でおもちゃたちがキャンピングカーを停止させると、両親は追ってきた警察に事情を説明するため車から降ります。
その隙にウッディたちの元へ向かうおもちゃたち。
迎えにきたバズたちを見て、ウッディは寂しそうにボーたちロストトイと別れの挨拶を交わします。
後ろ髪を引かれる思いでボーたちの元を離れ、バズたちの所へ歩いていきます。
ウッディの様子を見たバズは、ウッディの気持ちを見透かしたように話し掛けます。
”ボニーは大丈夫だ。”
”私たちも大丈夫だ。”
”自分の心の声に耳を傾けろ。”
それを聞いたウッディは決意します。
そして、ボーたちの所へと戻ります。
ボニーのおもちゃも皆集まり、ボーの一行と合流します。
ウッディは胸のピンバッチをジェシー(カウガールの人形)の胸につけ、皆と順番に別れのハグをしていきます。
最後にバズとも熱いハグを交わします。
ふと見るとウッディの足にはフォーキーが抱きついています。
車のエンジンがかかります。
バズやフォーキー、ボニーのおもちゃたちは急いで車に戻ります。
発進する車を見送るウッディとボーたち。
バズも車の中から、新しい生き方を選んだ相棒のことを想いエールを送ります。
一人の子どものものであることがおもちゃとしての幸せと信じていたウッディでしたが、最後に選んだのはボーたちと同じ道でした。
ここで映画が終わります。
エンドロールと共に、その後のウッディの様子が映ります。
射的ゲームで遊ぶ子どもたちに、次々と景品を(もちろん姿を隠した状態で)配っていきます。
沢山の子どもたちに幸せを届けられる存在として、人知れず、しかし生き生きと奮闘しているのでした。
映画を観た感想
私の拙い文章では細かな情景描写が伝わらないかと思いますが、ここでは書けなかったおもちゃ同士のちょっとしたやり取りなど、これまでの1~3でも描かれてきたトイストーリーのユーモアがしっかりと出ていました。話の展開の要所要所にちょっとしたジョークを挟むことで、シリアスな展開ながらクスッと笑えるような、ハラハラしながらもどこか微笑ましいような素敵な映画に仕上がっています。
おかげで最初から最後まで全くダレることなく楽しめました。最高でした!
ウッディの最後の決断にはとても驚きましたが、映画を観た後で展開を整理していると随所にその決断に至るまでの描写があったように思います。
・フォーキーにも語っていたように、ウッディにとってのおもちゃの幸せは、アンディと過ごした時間に象徴されています。アンディにとって一番のお気に入りだったウッディ。自分が愛されていることを感じ、それがアンディを幸せにしていることに最高の充実感を得ていたことでしょう。
・しかし、冒頭でボニーに遊んでもらえず物置でほこりを被っていたことから、自分がボニーに必要とされていないことは自覚していました。誰かのおもちゃであることが常に自分にとっても幸せとは限らないことを薄々感じていたように思います。
・ボーとの再会で、最初はこれまでの価値観に当てはめて、ロストトイという存在をかわいそうなものとして見ていましたが、ボーと行動を共にするうち、生き生きした彼女が決してかわいそうな存在ではないことを理解します。
・ボーに対して ”誰かのおもちゃにまたなりたいと思わないのかい?” と問いかけたウッディを、ボーはあっさり否定しました。また、(おもちゃにとって)広大な遊園地の景色を見せ、”一人の子どもにこだわって、狭い部屋にいることが本当に幸せ?” と問われています。
今回の展開の中で知ったおもちゃとしての新しい価値観・幸せの在り方。それをボーという親しい仲の相手から突きつけられたことでウッディの心は揺れていたのだと思います。
・一方、今回のヒール役であるギャビーのように、これまでの自分と同様、誰かのものになることに固執するおもちゃも出てきます。
ギャビーがハーモニーに拾ってもらえず絶望していた様子をウッディは目の当たりにしました。この時、ボニーと遊んでもらえず、子どもの気持ちが自分から離れていく辛さを体験した自分と重ねた部分もあったでしょう。
ギャビーが最終的に別の女の子の心の支えになり、拾ってもらったのを見守っていた時には、これまでの自分と同じ幸せを、彼女が得られるだろうと安堵したことと思います。
・ボーとギャビー、どちらもロストトイでありながら異なる考え方を持つ彼女たちを見て、ウッディは自分の考え方や世界がいかに狭いものだったかを実感しました。
この二人の存在のどちらもが、最後には自分がこれまで考えていなかったような世界に足を踏み出すきっかけになったのだと思います。
部屋の外には、もっと色々な形の、そしてその分沢山の幸せがあることを知り、それを彼自身が見つけ多くの子どもに与えるために、これまでの仲間の元を離れ新しい一歩を踏み出した、と考えています。
ボニーがアンディと同様、ウッディをずっと大切にしていれば同じ結論にはならなかったかもしれません。
単に新しい世界に飛び出した!という訳ではなく、今の世界(一人の子どもの部屋)にある程度限界のようなものを感じた、とも見えるような気がします。このように、決して前向きな判断材料だけで決断したわけではないと考えると、ウッディの背中には哀愁を感じてしまいますね。
続編が出るかどうか分かりませんが、是非その後の彼らの生き様を見てみたいものです。
ストーリー説明は随分と長くなってしまいました。
最後までお読みくださったかた、どうもありがとうございました。
日本に居る方は7月になりますが、是非劇場で彼らの活躍をご覧ください。