サンディエゴ留学生活

カリフォルニア州サンディエゴでの生活のことを中心に記事を作っています。サンディエゴの良さを伝えるとともにこれから海外生活を始める人の助けになるような情報や海外生活の楽しさを届けられるように発進していきたいと思います。

ベジタリアン用の人工肉 The Beyond Burger(ビヨンドバーガー)

 アメリカではベジタリアンの人が日本と比べて多いように感じます。

日本でも最近はレストランでベジタリアン用のメニューがあるお店も増えてきているように感じていましたが、カリフォルニアで生活しているとどこのレストランに行ってもベジタリアン向けのメニューがあるのでアメリカの方がベジタリアンが多いんだろうなと勝手に考えていたのです。

しかし、調べてみると人口に占めるベジタリアンの割合は日本で4~5%、アメリカで約8%とのことです。*1あれ?意外と差がない?

(個人的な感覚では日本が1%、アメリカが20%くらいに思っていました。)

 

日本ではベジタリアンといっても魚は食べるという人や、豚や牛は食べないけど鶏は食べるという人など、”ベジタリアン”の定義が広いらしいので、日本のベジタリアン人口が思ったより多いのはそういう所にも要因があるのかもしれませんね。

 

さて、前置きが少し長くなりましたが今回は ”本物の肉を使用しないベジタリアン向けのお肉” として最近ニュース等でも取り上げられているBeyond Meat社(ビヨンドミート社)の製品 ”Beyond Burger”(ビヨンドバーガー) というものについてお話ししたいと思います。 

Beyond Burger(ビヨンドバーガー)の食レポ

Beyond Meat社とは?ということは一旦置いておき、何はともあれまずは食べた感想について書いていきます。

後述しますが、このお肉には動物の肉が一切入っていません。豆のタンパク質と植物油を主成分としています。

こちらがスーパーに並んでいるBeyond Meat社の製品↓↓

スーパーに置かれているビヨンドミート(Beyond Meat)の製品

スーパーに置かれているビヨンドミート(Beyond Meat)の製品

この写真ではハンバーグとソーセージが写っています。他の肉と並んで通常の肉コーナーに置かれています。

今回はこの二つのうち、左に見えるハンバーグを購入しました。二枚入りで約$6(600~700円くらい)と少し高めのお値段。 

見た目は普通の肉です。

焼いてみると本物の肉のように肉汁が出ます。普通の肉より出てるんじゃないかという位出ます。 

ビヨンドバーガー(Beyond Burger)を焼いて調理した時の様子

ビヨンドバーガー(Beyond Burger)を焼いた様子

ただ、普通の肉が赤→赤茶→茶→こげ茶と焼き色が徐々についていくのに対してBeyond Burgerは赤→こげ茶と、普通の肉に比べると急に色が変化するような感じがして焼き加減の見極めが少し難しかったです。

何はともあれ無事焼きあがったところで中を割ってみると、焼いたお肉(?)の断面はこんな感じでした↓↓ 

ビヨンドバーガー(Beyond Burger)を焼いて調理後の断面

ビヨンドバーガーを焼いた後の断面

パッと見た感じは普通のお肉です。よくよく見ると肉ではなくマッシュされた肉状のものが一枚のハンバーグになったものという感じもします。
ミンチ肉といえど普通の肉なら少しホロホロとした感じがあると思いますがそれがない感じといえばいいでしょうか。(語彙力が足りない!!)

事前に言われずに出されたら私は全く気が付かない自信があります。

 

さて、肝心の味ですが、、

 

あっさりとしていて鶏肉に近い!

牛のようなガッツリとジューシーな肉が好きな人にとっては物足りなさがあるかもしれませんが味自体は美味しいです!

 ”鶏ミンチで作ったハンバーグ” と言われれば納得して食べてしまいます。(あくまで個人的な感想です。)

植物成分だけで作られているだけあって食べた後もお腹がもたれるような感覚はなくサラッとしています。

現状では値段が普通の肉よりも高いこともあり毎日のように食べるというのは難しいと思いますが、このクオリティーならスーパーの肉コーナーに置かれているのも納得できるレベルだと思いました。

 

Beyond Meat社(ビヨンドミート社)の製品[ハンバーグ, ソーセージ, クランブル]

実際に食べてそのクオリティーを実感したところで、この人工肉を生産しているBeyond Meat社の製品について調べてみました。

2019年5月現在でハンバーグ、ソーセージ以外にもクランブル(crumbles, パラパラになったひき肉)があり計三種類のラインアップとなっています。

まだハンバーグ以外の二つの製品については買ったことがないので、またの機会に試してみたいと思います。(食べたら感想記事を書きたいと思います。)

 

会社HPの製品紹介ページ↓↓

www.beyondmeat.com

 

ハンバーグ、ソーセージは通常のお肉コーナーに、クランブルは冷凍食品コーナーにあるそうです。

冷凍食品コーナーは見ていなかったのでクランブルの存在はHPを見るまで知らなかったです。

 

VonsやRalphsなどのこちらによくあるスーパーなら大抵置いてありますが、特に置いている量が多いのがWhole Foods Market。このスーパーは健康志向の食品をメインで取り扱っている所で商品の値段も余所のスーパーよりお高いめです。私は普段はなかなか行くことはありません。(やっぱり生活がかかっていると健康志向よりも値段重視ですからね。)

 

The Beyond Burger(ビヨンドバーガー)の成分

Beyond Meat社の製品”The Beyond Burger”の成分を見ると、主成分として

- Water 水

- Pea Protein Isolate エンドウ豆タンパク質

- Expeller-Pressed Canola Oil キャノーラ油

- Refined Coconut Oil 精製ココナッツ油

の4つがあり、それ以外に2%以下の下記成分を添加しているとのこと。

- Cellulose from Bamboo 竹由来のセルロース

- Methylcellulose メチルセルロース

- Potato Starch 片栗粉(ジャガイモのデンプン)

- Natural Flavor 天然香料

- Maltodextrin マルトデキストリン

- Yeast Extract 酵母エキス

- Salt 塩

- Sunflower Oil ひまわり油

- Vegetable Glycerin 植物性グリセリン

- Dried Yeast 乾燥酵母

- Gum Arabic アラビアガム(乳化剤、安定剤)

- Citrus Extract (to protect quality) 柑橘類抽出物(安定剤)

- Ascorbic Acid (to maintain color) アスコルビン酸(着色剤)

- Beet Juice Extract (for color) ビーツジュース抽出物(着色剤)

- Acetic Acid 酢酸(=お酢成分)

- Succinic Acid コハク酸(うまみ成分、FDA認可の食品添加物)

- Modified Food Starch 加工デンプン

- Annatto (for color) アナトー(着色料、ベニノキの種子)


肉の触感、味を再現するために様々な添加物を入れて工夫している様子が分かります。

添加物といっても一般的に使用されているものばかりで怪しい感じはしません。

余談になりますが、着色剤として使用されている ”ビーツ” は日本では馴染みが薄いかもしれませんが、アメリカでは普通にスーパーで売っている野菜で真っ赤なカブのような野菜です。甘みがあってカブよりも個人的には好きです。このビーツを食べた翌日の排泄物が赤色になってギョッとしたことがあります。(食べ物の記事で汚い話をすみません。。笑)

 

そもそもBeyond Meat社とは?

今回取り上げたこの人工肉を開発しているのがカリフォルニア州に本部を置くBeyond Meatという会社です。

この会社のHPでは同社のミッションを以下のように述べています。

 

”At Beyond Meat, we believe there is a better way to feed the planet. Our mission is to create The Future of Protein® – delicious plant-based burgers, sausage, crumbles, and more-- made directly from simple plant-based ingredients. By shifting from animal, to plant-based meat, we are creating one savory solution that solves four growing issues attributed to livestock production: human health, climate change, constraints on natural resources and animal welfare.”

 

同社のミッションは一言で言うと、”タンパク質の未来を創ること” であり、”動物性から植物性のタンパク質にシフトすること”で、健康や食の安全の向上、環境負荷の低減、食料資源の確保、動物愛護を目指すということです。

 

人為的に排出されている温室効果ガスのうち約15%が畜産業に由来している*2という報告もあるように、畜産業が環境に与える影響は無視できないため代替肉により畜産業を減らすことで環境負荷が低減できると考えられます。

食肉用の家畜の飼育には当然その動物たちの飼料が必要であり、エサとして必要なタンパク質の量が最終的にその家畜から取れる肉のタンパク質の量よりも遥かに多いため、タンパク質の量という観点から見ると動物の肉を作るのは”コスパが悪い”或いは”燃費が悪い”と言うことができます。また、畜産では家畜を早く太らせるためや病気治療や予防のために抗生物質などが投与されていることから、そのような薬物の乱用が結果として人の健康に影響することが懸念されています。このような事情により、代替肉が食料資源(特にタンパク源)の確保や健康や食の安全性向上につながるという訳ですね。*3

 

所感

 ”人工肉” と聞くと胡散臭いような怪しい響きがありますが、その実態はこれまでの代替品によく見られた外観だけを似せた”なんちゃって”製品のようなものではなく、かなり本物に近いクオリティーに仕上がっていることが分かりました。話題性として試しに買ってみましたがこの味なら普通の食品として使うこともできそうだというのが率直な感想です。

 

成分を見て”添加物が多いからあまり食べたくない”と思う人もいるかもしれません。

私自身、食品添加物に詳しい訳ではないので自信を持ってこれは大丈夫と言い切ることはできないですし、毎日でも食べられるとは流石に思いません。

ただ、なんにでもあてはまることですが、食べ過ぎると良くないというだけで添加物を気にし過ぎて食べるのをむやみに避ける必要はないと思います。

一般に出回っている食品添加物は政府(日本だと厚生労働省)に認可されたものなので、体に良くないと騒がれているようなものでも、多少食べた程度では健康への影響はないと思います。

但し、長期的な観点で考えると健康への影響は個人差もあり悪影響が出るかもしれないとは思います。マクドナルドのハンバーガーを食べたことがある人は多いと思いますが、数回食べた程度では全く問題ないのが普通です。それでも毎日食べ続けると健康に影響が出るという内容の映画もありましたし*4、何事も程々にするのが大切なのかなと思います。

そういう意味では加工食品は人工肉に限らず日々の献立の中に時折入る位が理想なのでしょう。

 

ただ、生肉ですら飼育過程で使用される抗生物質が健康に影響する懸念があるという話なので何をもって”健康に良い”のかは難しいところです。

様々な選択肢を選べる便利な世の中だからこそ、どのような利便性を選ぶかは消費者個人が 責任を持って判断していかなければいけないですね。

 

今回は以上です。長くなりましたが最後までお読みくださった方どうもありがとうございます。

 

本記事の続編として、Beyond Sausage(ソーセージ)を食べた記事も書きましたので是非併せてご覧ください。↓↓

mirada.hatenablog.com  

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